映画館を守る 京都みなみ会館最終日

 2023年9月30日、私と同い年の映画館、京都みなみ会館が最終日を迎えました。昨年のテアトル梅田に続いて、関西圏で名画を見られる映画館がまた一つ姿を消すことになりました。
 フランスのリュミエール兄弟のシネマトグラフを始まりとすると、映画が誕生して、128年。もともとはフィルムが使われていてトーキーだと1秒間に24コマ、静止画像が1秒間に24コマ流れていくことで、私たちの目は動画として観ているのですね。私は映画が好きなので、古い映画も観に行くのですが、100年近く前のノイズが多い映画の中にも非常によくできたものがあります。ただ、映画のフィルムは経年劣化が起こりますし、火事で焼けてしまうことも多く、残念ながら消失してしまった作品も数多くあると聞いています。作品の保存とともに、映画館を守ることも大切で、コロナ禍に観客の動員数が激減し、閉館してしまった映画館もあります。
 私は来年、還暦を迎えますので、多くの映画館ではシニア料金で作品を楽しめますが、肝心の映画館そのものがなくなってしまえば、大きな楽しみが減ってしまうことになります。考えてみれば、映画を観るために、電車に乗って、チケットを買って、時間帯によれば昼や夜の食事をしますし、何より映画を観るための2時間ほどの時間を暗闇の中で費やすことになり、結構贅沢な趣味と言えば言えなくもありません。結局、映画館を守るためには、せっせと映画館に足を運ぶしかないのかと、最終日のいつもより観客が多いみなみ会館の姿をぼんやりと眺めていたのでした。すみません、たまには個人的な投稿をお許しください。