自校教育テキスト マンガ版『追手門の歩み』

 5月29日の創立記念日には、中1・高1の生徒がこの自校教育テキストを読んで書いてきた感想文の優秀作に対して、表彰をいたしました。このHPに記事が投稿されておりますので、詳しくはそちらをお読みください。
 このテキストのあとがきは、刊行当時の学院長、坂井東洋男先生の言葉が記されています。最後の方の部分を引用しておきます。

「独立自彊」の建学の精神だとか、「誠実、剛毅、自治」の校訓だとか、これまでも目にすることの多かった学院の理念と並んで、注目したいのは、学院歌の作詞者として知られている八束周吉の「教育とは教育しないこと」というひとことである。この言葉は今日においても教育とは何かを考えるうえで、きわめて重要である。知識を与えるよりも、自主的に学ぼうとする意欲を引き出し、自立した人間として社会に送り出すことにこそ教育の使命がある、という意味である。
 実際に、八束周吉は学院の研究誌にこの言葉を書き残している。教える側も教わる側も、みんな不完全な人間。そう考えると、教師の権威など何の役にも立たないし、むしろ邪魔でさえある……。八束のこの言葉は『追手門の歩み』にも引かれている。教育とは何かを考えるうえで至言というべきであろう。