八束周吉先生のモニュメント

 本校のエントランスの奥に、「八束周吉の庭」があり、八束先生の「中正道」の言葉を表すモニュメントが設置されています。中正道とは、八束先生の言葉によると、「新しい概念と古い伝統との対立がおもむろに統合せられて、さらに高次の立場に止揚せられた理想であり、方途である」。
 本校は戦後生まれの学校ですが、八束先生は戦前の教育がすべて悪いわけではなく、良い部分は残し、新たな教育の良い部分を融合させて、追手門学院の教育を築いていこうとされました。モニュメントの床の部分には、八束先生の言葉が刻まれています。写真の一番上の言葉は、私が特に好きな言葉で、入学式等で何度も引用しています。

 知性の発芽は先ず驚異に始まる。驚異から懐疑へ、懐疑から煩悶へ、煩悶から発見へ、発見から推究へ、推究から応用へと、無限の発展成長を遂げていく。知識の詰め込み記憶だけで、その美しい芽が培われるものではない。

 本校の今の教育にも活かされている言葉です。新入生の皆さんは、5月29日の創立記念日までに、八束周吉の庭を訪れていただきたいと思います。