スリランカ体験旅行を振り返って 2

 スリランカのバンダラナケヤ空港到着後、ホテルに着いたのが深夜、日本時間では早朝でしたので、旅行の2日目の朝食は遅めに設定したのですが、眠そうにしている生徒がたくさんいました。仕方ないですね。私もかなり疲れました。次の日の朝、ホテルの部屋からのコロンボの景色、素晴らしいです。高層ビルが立ち並び、日本の大都市にも近い感じがします。眠いながらも、朝食は大切です。スリランカの料理は、いわゆる匂いのきつい香草類は、あまり使われていないようです。大偏食の柴田先生がスリランカの料理は大丈夫と言っているのですから、そういうことなのでしょう。

 この日の目玉は在スリランカ日本国大使館への訪問です。大使館の中に入れるなんて、なかなかできない経験です。一等書記官の方から、スリランカについて、そしてスリランカと日本の関りについて講演をしていただきました。スリランカがポルトガル、オランダ、イギリスに植民として統治されていたという歴史、すぐ近くに大国のインドがあり、また、中国との付き合いもあるということなどを考えると、政治的にはどういう姿勢で近隣の国と付き合っていくべきかという方向性は極めて大事なことだということがよくわかりました。また、中東からの原油を日本に運ぶときに、スリランカの国の政情が安定していないと船が安心してインド洋を航海できないということも、一等書記官のお話から新たな視点を与えていただきました。実は、この訪問日の翌日がスリランカの大統領選で、その結果がこの後の私たちの体験旅行にも影響を与えることになりました。

 また、1951年のサンフランシスコ講和会議にセイロン(現・スリランカ)を代表して出席したジャヤワルダナ氏(後にスリランカ大統領を務める)は、”Hatred ceases not by hatred, but by love.”(憎しみは憎しみによって終わるのではなく愛によって終わるのである)という仏陀の言葉を引用してスピーチをされ、対日賠償請求権を放棄し、日本を国際社会の一員として受け入れることを訴えられました。上から6枚目の写真がジャヤワルダナ元大統領の肖像画、その下の写真がジャヤワルダナ氏の自筆の、引用された言葉です(いずれもジャヤワルダナセンター内)。スリランカが親日国であるということは知っていましたが、一等書記官のお話によって、私のスリランカに対する思いもずいぶん強いものになっていきました。大使館の皆様には、お忙しいところ、本校の生徒たちのために貴重な時間をいただき、本当にありがとうございました。

 昼食はコロンボ市内のフードコートを利用しました。ホテルの食事は私たち向けに少しアレンジしてくださっているので、まさにスリランカローカルな味付けとなるとこういうところが本場なのでしょう。””Do in Rome as the Romans do.”という教えの通り、私はフードコートで様々な国の料理がある中で、スリランカの料理を食しました。最初の一口は何ともないのですが、しばらくすると口の中がひりひりしだして、辛みというのは痛覚であるというのを思い出しました。汗まみれになって完食し、マンゴージュースでほっと一息。いや、でも、美味しかったんですよ。ただし、料理の写真は撮り忘れました。

 食後は、コロンボ市内を車窓から見学し、インド洋に面する海岸で時間を過ごしました。風が強く、大きな波が次々に打ち寄せていました。生徒たちの様子を動画で撮影したものもあるのですが、ちょっとここではあげにくいので、別の場所で。

 最後の写真は、ガンガマラ寺院の様子です。日本の寺院の中にある仏像はもっと古びた感じのものがほとんどであると思いますが、ガンガマラ寺院の仏像はピカピカですね。こちらはコロンボ市内で最も大きな寺院だそうで、そのせいか位の高そうな立派な格好をしたお坊さんが出入りされていました。後日訪れることになる、ダンブッラ石窟寺院の仏像との違いにも注意してみることにいたしましょう。