スリランカ体験旅行を振り返って 4

 コロンボからの長距離の移動の翌日。体験旅行の4日目の朝です。ホテルの前の庭の景色は本当に美しく、思わず立ち止まってぼんやりと眺めてしまいました。私は映画が好きでして、ここをロケ地にすれば、気に入ったショットがいくらでも撮れそうな気がしました。眠気がいっぺんに吹き飛ぶような奇麗な景色でした。

 しかし、この後、心配なニュースが入ってきました。前日の大統領選の結果が出て、国民がそれをどう受けとめて行動するかがわからないので、外出禁止令が出されているというのです。この日は、まさに体験旅行の大きな目玉の一つ、いや二つ、世界遺産のシギリヤロックに登り、午後からは農村体験と国立公園サファリでのジープによる見学が待っているのです。第1グループからの情報によると、サファリで野生のゾウの群れにあえたということでしたので、私たちだけ行けないなんてとんでもない話です。ただ、私がスリランカ政府や公安と交渉するわけにもいかず、行動制限が解除されるのを祈るしかありません。

 という心配は、ホテルを出発するころにはなくなり、予定通り行動ができそうだということになりました。

 まずは、世界遺産のシギリヤロック。この巨大な岩は高さが180mの花崗岩であり、5世紀後半に、カッサバ王一世は7年かけてこの岩の上に王宮を築きました。スリランカにある世界遺産は8つ、そのうちの一つで、岩山の頂上までは1200段の階段を登ります。下見に行っていた辻本教頭は、金毘羅山の階段を登るより大変だそうです、と言っていましたので、還暦を迎えた私は登頂できるのか心配しておりました。しかし、近くによってみて、大丈夫だと確信しました。頂上がすぐそこに見えているのですから。少し前までは、大手前中高の教頭・校長時代に立山連峰の雄山や大汝山という3000m以上の山に何度も登っていたのですよ。実際にシギリヤロックに登ってみて、私は金毘羅山の階段の方がしんどかったですね。でも、さすが世界遺産、登り始める前の雄大な姿を見て感激したことに始まり、登る途中にも登り終わったときにも、下る途中にも、様々なハイライトとなるものがあったのです。

 上のシギリヤロックの3枚目の写真。これは、ライオンのテラスと呼ばれる場所です。ライオンの前脚と爪が見えますね。現在ではなくなってしまっていますが、ライオンの顔があり、口を開けたライオンの中に入って宮殿に登っていくという仕組みになっていたようです。口の中に入ってからは、急こう配の階段を登っていくのですが、この広場で登るのをあきらめる人もいます。確かに高いところが嫌いな人は嫌ですよね。

 そして、頂上の王宮跡。360度見渡せます。すみません、余計なものが写っておりまして。高いところへ登ると写真を撮っておきたくなるものですから。スリランカ中が見下ろせるような気分です。そして、もう一枚の写真です。マンさん、と呼んでいた現地のガイドさんです。マヘンドラ・フェルナンドさん。私たちは覚えにくいので、マンさん。私より1歳年上です。友達になり、LINEでつながりました。日本語がとても上手です。

 この後の下りのところには、写真撮影が禁止されている壁画があり、その見学を終えてシギリヤロック見学は終わりです。午後にまだまだアクティビティがあり、ここで一息つかせていただきます。