中学技術の授業

 中学校の見学を希望されるお客様をお連れして校舎内の見学をしていると、エントランスの中央階段にあるステージのところで、写真のような場面に出くわしました。学外から訪問されるお客様の多くは、授業中なのに、教室の外に飛び出して何かをしているという光景を目にされることが少ないようで、「これは何をされているのですか?」と尋ねられることが多いです。確かに、私の時代は言うまでもなく、保護者の方々が生徒だった時代も、授業中は教室内の机に向かって椅子に腰かけ、黙って先生の話を聞いたり、黒板に書かれた文字をノートに写したりすることがミッションだったのではないでしょうか。その間に友達としゃべったり、先生に質問をする時間もほとんどなかったかもしれません。インプットはあってもアウトプットはない、という授業が普通でした。今の本校の生徒たちは、その時代とはずいぶん異なったスタイルの授業を受けています。正確に言うと、先生たちと授業を作っています。

 写真の生徒たちに訊いてみると、今、技術の授業で「電気」について学んでいて、自分たちのグループは電気を生み出す発電所について調べている。そして、発電所のついて調べたり、感じたり、考えたりしたことを、報道番組風に動画にまとめて発表するというのがミッションなのだそうです。なるほど、こういう形で学びを進めると、あるテーマに関する知識が増える、定着するということが起こりますが、さらに、ニュースキャスターやカメラマンなどになりきってみると、そこからたくさんの気づきを得られるはずですね。一種の演劇的な教育にもつながるかもしれません。さて、どんな動画が完成するのか、観てみたいですね。