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学校長 木内淳詞

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TEACHER

2021.02.12UP

探究的な学びで、独自の進化と、閉塞感のある教育業界に風穴を。

PROFILE

木内淳詞 追手門学院中・高等学校 学校長

  • 出身

    大阪府大阪市

  • お気に入り

    読書、音楽、映画、美術鑑賞、人間観察、空の観察

  • 学校運営でもっとも大切にしていること

    生徒・教員の前向き・積極的な取り組みを「やってみなはれ」精神で応援すること。

Theme1

連綿と受け継がれる職場文化。
現場の声を実現するためにできること。

校長というポジションが担う領域というのは同じ私立の学校の中でも一様ではありません。私の場合は、現場に入っていって細かい指示を出すようなことはなく、教育理念に沿った学校全体としての大きな方針の打ち出しや、学校経営目標の達成のための進捗管理と条件整備、生徒募集の安定化に向けた取り組み、あとは先生たちから出てくる計画や要望の決裁などが主な仕事です。もともと本校には、現場の各部署や若い先生が「こういったチャレンジをしたい!」というような思いを管理職にぶつけたり、管理職が若手教員に大きな仕事を任せたりするという風土があります。私自身も追手門の教師として34年勤めてきた中で、先輩方がそういったチャレンジを応援してくれるのを見てきました。だから私も校長となった今、その職場文化を引き継ぎ、できる限り先生たちの積極的な取り組みの応援をし、それを生徒たちの成長につなげたいと思っています。その実現のために、必要な予算を確保したり、法人に支援してもらいながら学校内の条件整備をしたりすることが、私が担うべき大切な役割の一つですね。

私は旧校舎時代の茨木で長く教鞭をとり、入試委員長、教頭を務めた後、グループ校である追手門学院大手前へと異動し、教頭、校長と歴任。そして2018年、新校舎へ移る前の年に、茨木へと戻ってきました。一度別の場所に行って帰ってくると、一緒に仕事をしたことがない先生もたくさんいます。私立といえども、今は教員の流動性が高まってきていますからね。これは本校だけではなく、多くの学校の傾向であり、また20代・30代の人たちの多くは、企業・学校を問わず、ずっと一つの職場で働き続けることがベストであるとは考えていません。誤解を恐れずに言うと、私も現場の先生たちに対し「どこの組織にいっても歓迎され、通用する人財になってほしい」と伝えています。もちろん今いる先生たちとずっと一緒にやっていきたいと願っているし、追手門の教育力・学校力を向上させるために力を貸してほしいというのが本音です。しかしやはりそれぞれの人生だから、自分の人生を考えたときに、追手門よりもいいと感じる学校や組織があるのであれば仕方ありません。ドライだと思われるかも知れませんが、本人が決めたことであれば「頑張れよ!」と背中を押したこともあります。それは常々、生徒たちに対して「お父さんやお母さんが君の人生を生きるわけではない」と伝えているのと同じことです。

特に探究科のような取り組みを進めていけば、学校の外に目が向くのは必然で、もっと社会へと触れていきたいと思うことも増えていきます。そうすると生徒より先生の方が覚醒することもあるでしょう。だから探究科はある意味、学校を預かる者からすると、“諸刃の剣”でもあるんですよね。主任の池谷先生を含めて、僕はずっと追手門にいてほしいと思っていますが、どうなるかは分かりません(笑)。とはいえ彼らがやっていること、そしてこれからやろうとしていることは、教育の本質を捉えていると思います。そしてこれだけのメンバーがそろって、学校もそれを支援していることを考えると、うちよりいい環境はなかなかないと思いますよ。

できる限り先生たちの
積極的な取り組みの応援をし、
生徒たちの成長につなげたい。

Theme2

“らしさ”を残しつつ、進化する。
そのために重要なのが、探究的な学び。

本校は、規律や伝統にきつく縛られて、変化することを許されないような私立学校ではなく、本当にさまざまなタイプの生徒が同じ校舎で学んでいます。しかしそこには共通点もあって、みんな素直で、友達を大事にする子ばかり。時代や校舎は変わりましたが、そこに関しては昔から何も変わっていません。その中で全員が多様性を受け入れ、自分なりに自分らしく生活できる学校、それが追手門であり、他の私立と比べた特徴と言える部分だと思います。生徒を無理やり教室に押し込んで勉強させるのではなく、放課後の時間の使い方も自分でデザインする。また学校に残った生徒が、互いに集まりながらそれぞれに学び、分からないところがあれば「先生、ここ教えてください!」と気軽に声をかけてくる。そんな追手門らしさを残しながら、進化していきたいですね。
そのためにも重要になってくるのが、探究的な学びです。私の目で見ても、本校の探究科は、すでに他の学校と比べて一歩も二歩も進んだレベルにあると感じています。やはり0から1にすることこそがとても難しいことであり、それは限られた人にしかできないことではないでしょうか。だからこそ探究科の先生たちを、私自身とてもリスペクトしているし、彼らを応援するためにできる限りの条件整備を行なっています。

ただこれがどれだけ受験生と保護者の方に理解・評価されるかというと、はっきり言ってもう少し時間がかかるかな、というのが正直なところ。先生たちの尽力もあって、時代の先端を走っているという感覚はありますが、この大阪という場所は、東京と比べて保守的な部分があり、新しいものに飛びついたり、よく分からないものに“先行投資”をしたりすることをよしとしない空気感があります。特にこの茨木を含む北摂地域では、“公立志向”が根強く、“私立らしさ”を出しすぎると、かえって受験生に敬遠されてしまうという点も、乗り越えるべき課題です。

今後、探究的な学びがもたらすものが、「偏差値」や「大学合格実績」、といった古くから深く根ざした価値観や評価の在り方を超えて、人の学びや生命を「DRIVE」していく力になっていくことを、本校教育によって示していきたいと思います。そしてそれを遂行することで、閉塞感のある大阪の教育に風穴を開けたい。私自身、強くそう感じているのは事実です。その時には探究科の取り組みが、本校の強みとなると確信しております。これからも現場の先生たちには頑張ってもらいたいし、私も精一杯サポートする所存ですよ。

探究的な学びがもたらすものが、
古くから根ざした価値観・評価を
超える力になっていくことを示したい。

PAST 過去

「子どもらしさ」がない子どもだったと思います。高校生の時も愛想が悪く、高校の同級生の「女子」からは、いまだに「感じ悪い人やった」と言われ続けています。

PRESENT 現在

2020.12.22

FUTURE 未来

現在56歳なので、いかに上手に人生の山を下っていくかということが課題です。と言うと、なんだかペシミスティックに聞こえるかもしれませんが、今のところ、下山も結構素敵です。

FAVORITES

音楽

全部は挙げられないので、音楽だけ。いずれの時期にかヘビーローテーションであったCDたち。いまだにライブハウスにも行く。一人だけど(笑)

MY ITEM

Watermanのボールペン、100均ショップの付箋

付箋は主に読書用に活用しております。

VOICE

01

教育業界のココを変えたい!

生徒の商品化・工業製品化をやめて、各学校が協働して「より良い学校」を追求する取り組みがしたいですね。

02

追手門学院中・高等学校にコレを導入したい!

迷える教員、ひょっとしたら生徒がふらっと立ち寄れるような、不愛想なマスターのいるカフェ・コーナー。

03

生徒や保護者のみなさまに言いたい!

お子さんに、また保護者の方に、毎日の…そして、教員にもたまには…「ほめ言葉のシャワー」をお願いします。

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