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正解は人の数だけあるもの。
だから自分の気持ちに正直に。
私が追手門学院への進学を決めた理由は、家から近かったというだけ。公立の高校を第一志望に考えていたこともあり、オープンスクールにも参加せずに入学することになりました。ただこの学校に通うことで、自分にとってプラスになることをたくさん学べていると感じています。今は本やテレビといったメディアだけでなく、スマホがひとつあれば膨大な量の情報を得られる時代です。だから授業で学ぶことの中にも、すでに知っているものが少なくありません。私はそういう時でも「それはもう知っていることだ」「特に得るものはない」と受け流すのではなく「より深く知れるチャンスだ」と考えるようにしてきました。それは授業だけでなく、何気ない会話も同じです。普段の生活において、先生や友人との話に常に耳を傾け、自分に足りない部分のインプットとなるよう心がけています。
探究の授業で印象的だったのは『世界図絵プロジェクト』です。『世界図絵』は世界ではじめてつくられた子ども向けの絵本。その本のページを自由にアレンジして、発表するという内容でした。自分なりの解釈でオリジナルのストーリーをうみ出していく楽しさや、人それぞれにまったく違った感性があることを知ることができて、とても記憶に残っています。探究から学べたのは「無理に答えを出さなくてもいい」ということかもしれません。そもそもたったひとつの答えがあるような問いを扱っているわけではないので、人の数だけ正解があると考えた時に、重要なのは自分の気持ちに正直でいることだと気づきました。また私は周りの人から過大評価されることがあると感じていて、その度に「私はそんなに優れた人間じゃないのに」と自分を追い込んでしまうことがあります。しかし探究で得た経験を通して、他者にすべてを理解してもらおうとするより、自分を見失わないことに意識を向けるべきだと思えるようになりました。
理解してもらおうとするより、
自分を見失わないことに
意識を向けるべき。
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いかなる状況でも前向きに。
家族との時間を大切にしながら。
高校生になってから、学校外の活動にも積極的に参加するようになりました。私は部活に入っていないので、日々の生活は家と学校の往復だけ。大人になってから高校時代を振り返った時に、思い出に残るような出来事がないかもしれないと不安になったのがきっかけで、いろいろなことに挑戦するようになりました。その中でもっとも印象深いのが『箱根neighbor’s camp』です。これは出会ったばかりの人たちとチームを組み、それぞれに関心があるものについて意見交換をしながら、箱根の宿泊施設で1週間の共同生活をするというもの。年齢も出身地もバラバラの人たちとの会話を通して、多様性への理解が進んだだけでなく、これまで触れることのなかったジャンルへの興味を抱くことができ、大きな収穫となりました。私にはまだ将来の目標や、挑戦したいと思うことがありません。だからこそこれからも、自分の足で動きまわり、さまざまな経験を積んでいきたいですね。
実は私の母は少し大きな病気を患っていて、介護が必要な状態です。闘病中の家族を支えるというのは、当然ながら楽なことではないのですが、それをイヤだと感じたこともありません。多くの人がいつかは親の面倒を見ることになります。私はそれを他の人よりすこし早めに経験しているだけにすぎません。それにここまで育ててくれた親に対して、ほんの少しだけかもしれませんが恩返しができていると思うと、母の看病ができるのはむしろメリットだと感じています。将来のことは、どれだけ悩んでも誰だって明確には分かりません。残りの人生の中で、今日がいちばん若いので、どんな状況でも前を向いて進むべきだと思っています。今はとりあえず母を含む家族との時間を大切にして、その先のことは“なんとかなる精神”で過ごしていきたいですね。