Theme1
エンジンとして、チームの力を最大化。
ネガティブな自分と上手く付き合いながら。
私は創造コースの1期生として追手門学院に入学し、あと少しで卒業を迎える時期となりました。高校生活を振り返ってみると、クラスやチームのリーダー的な立場を担うことが多かったのかもしれません。ただ自ら率先してそのポジションに立とうとしたことはなかったと思います。例えば探究のプロジェクトにチームで臨む場合、それぞれのメンバー全員が能動的に関わり、最後には全員が「これは私のプロジェクトだ!」と胸を張って言えるのが理想です。その状態に到達するために、私がリーダーの役割を果たす時には、仲間を引っ張っていくというより、関わるメンバー全員の声を拾い上げて、それをまとめながらひとつの力に変えていく、いわば“車のエンジン”のような存在であれるように意識してきたつもりです。
私は元々とてもネガティブな性格の持ち主。その原因は、小学校の頃に容姿や性格などの面で自分に自信が持てなかったことにあります。そのコンプレックスに打ち克つために、中学校で生徒会に入ったり、創造コースに似た方針の塾に通ったり、さらに農業体験に参加したりと、いろいろな挑戦をしてきました。それでも湧き出てくるモヤモヤとした感情をうまく消化することができないまま高校生になります。しかし探究の授業のおかげで、その得体の知れない感情と正面から向き合えるようになりました。きっかけは『仮面プロジェクト』を進める中で、自分が人とは違うものに憧れを抱いていると知ったこと。そこから強いコンプレックスを抱いていた自分を認めてもらうために、他の人とは違う個性が必要だと信じ込んだ結果、無意識のうちに少し無理をしながら自分を傷つけてきたのかも知れないと気づき、それがモヤモヤを生んでいると理解できました。今も完全に吹っ切れたわけではないのですが、負の感情とうまく付き合う術を身につけられた感覚はありますね。
周りの声を拾い上げ、
それをまとめながら
ひとつの力に変えていく


Theme2
意識は医療から教育へ。進学先も決まり、
大きな課題解決に向けて邁進する!
私がO-DRIVEの取材を受けるのは2回目。前回、1年生の時の記事には「将来は医療系の仕事がしたい」と答えていたと思います。その夢の実現に向けて、2年生の夏休みに『タイガーモブ』が主催する海外留学のプログラムに参加し、アフリカのザンビアを訪問することになります。しかし医療に関する学びや気づきを得ることを目的にわざわざアフリカまで行ったにもかかわらず、現地で医療ではなく教育のことをずっと考えていました。私はこの高校で創造コースに入るまでは、学校のことがぜんぜん好きではなく、先生が黒板に書いたものを一生懸命にノートにとってテストのために知識を詰め込んでいくような旧来型の授業スタイルにも違和感を覚えてばかり。だから自分の意識が教育に向くなんて想像もつきませんでしたが、今はすごく興味がある分野だということに気づけた貴重な留学でしたね。
今の将来の目標は、教師になって、学校現場に漂う“無気力感”を打破することです。本来ものごとを学ぶということはとても楽しいことのはず。でも小学校に入りたての頃には学校での勉強を楽しんでいたとしても、そこから学びに対する前向きな姿勢がどんどんと失われていく生徒が多いのが現状です。その問題を解決するのに適しているのが科学や生物といった科目だと感じ、東洋大学の生命科学部への進学を決めました。理科系の勉強は、教科書にある内容もワクワクしながら吸収できる雑学の集合体のようなもの。アプローチに関しても仮説を立てて検証をしたり、教室の外に出てフィールドワークを行ったりと、学びに対する興味を換気できる要素が多くあるように感じます。これまで自分自身が抱いてきた教育への違和感や、ザンビアでの気づき、創造コースで得たもの、さらにこれから大学で学ぶことや、まだやったことのないアルバイトや趣味など、いろいろな経験を栄養にして、夢を叶えたいですね。
教師になって、
学校現場に漂う
“無気力感”を打破する
