追手門学院中・高等学校「探究科」
追手門学院中・高等学校の探究科は、教科として2020年に発足し、中学「総合的な学習の時間」、高校「総合的な探究の時間」を担当しています。
なので、もちろんそれぞれの学習指導要領に則った学習内容になるわけです。各学年週2時間ずつ設定されており、それぞれの授業プログラムを創造、実践、構築するプロセスにあります。
「総合的な学習(探究)の時間」は学校によって内容は大きく異なるのが現状であり、その解釈はさまざまです。また「探究的な学び」という言葉が出てきて以来、各教科内における探究的な学びと混同して使われることも多く、混乱を招いていることも確かです。
本校の「探究科」がやっていることを少しずつ紹介できればと思います。あくまでも中学校、高等学校の文脈で書かせていただきますので、あしからず!
今回は3回に分けて配信します!この記事は[SECTION3]。いってみましょう。
[SECTION1]日本の学校教育は、何をどのように育成しようとしているのか。
1-1:教育の目的
1-2:学校で何を育成するのか。新学習指導要領「資質・能力の三つの柱」
1-3:新学習指導要領「主体的、対話的で深い学び」で
[SECTION2]中高「総合的な学習(探究)の時間」
2-1:中高「総合的な学習(探究)の時間」の目標
2-2「総合的な学習(探究)の時間」の「資質・能力の三つの柱」
2-3:「総合的な学習(探究)の時間」の「主体的、対話的で深い学び」
[SECTION3]追手門中高「探究科」の考え方
3-1:目標(ヴィジョン、ミッション)
3-2:こんな資質・能力、育成できたらいいな
3-3:どういう方法で?
追手門中高「探究科」の考え方
言いたいことはここまでで結構言ったので、簡潔にいきたいと思います!上記を踏まえた上で私たち「探究科」の目標(ヴィジョン、ミッション)、育成できたらいいなと思っているもの、どういう方法をとっているのか、説明させていただきたい!
目標(ヴィジョン、ミッション)
2021_ODRIVE_VisionMission
前述しましたが、「自己の在り方生き方」、「課題を発見、解決すること」を扱う教科です。課題解決型の学びを実践するときにぶち当たる壁は、自分ごとにしにくいことです。課題の設定が大きすぎて共感できなかったり、生徒自身が自分に結びつけにくい。
なので、忘れがちな「自己の在り方生き方」を考えることにまずは焦点を当てています。自分は自分でいい、他者やコミュニティの中で自分の役割がある、そんな自己肯定感を育みながら考えてほしいということです。信じたり肯定する「自分」への感度を高める経験が、自分の芯を形成するとっても大事なことで、現在の教育に欠けている部分でもあるとも思っています。
その前提があった上で、自分の身近なところから課題を発見し、解決(デザイン)する経験を経て、自らの進路を選択してほしいな。学習指導要領の目的に沿ながらも、学校の実情も考えた上で設定しました。
こんな資質・能力、育成できたらいいな
2021_ODRIVE_MindsetSkillsetKnowledge
見た通りになりますが、まずは「やってみよう」というマインドセットをどの学年も共通して大切にしています。これは将来やりたいことや夢を持とう、という話ではなく、やってみないと分からないこともあるし、少なくとも今やってみようと思うことや、何かに向かっている状態であってほしいなと。
学びに向かう力に必要だと思うマインドセットを、別途5つ設定している、ということです。また、知識・技能や思考力、表現力、判断力を具体的に書いています。
どういう方法で?
2021_ODRIVE_Cycle
「資質・能力の三つの柱」をバランスよく育むためにも、このサイクルを心がけてプログラムを創っています。五感や記憶、感情などを通じたインプットから、何かを創造したりデザインしたり。それを共有し、フィードバックを得るなどの協働を経て、振り返る。そして自分なりに意味づけて次に繋げるというサイクルです。
ただし!サイクルばかりにとらわれると、抜け落ちてしまうものがあるように思います。そもそも人が学ぶプロセスはものすごく複雑だということを分かっておかないと、といつも自分に言い聞かせています。その複雑性を忘れないために、図もちょっと複雑に見えるように作りました笑
また、「自己の在り方生き方」のところでちょっと触れた「学びのコミュニティ」も大事にしていて、図の背景にある[自分][他者][社会]を行き来できるように考えています。
最後に、学年の進行が分かるプロジェクト計画を載っけて、終わりにしたいと思います!!!これで分かるように、中学1年生から高校1年生までは、課題を発見するまでの準備に時間を当てています。「アート」とか「アントレ」といった授業の内容については、また紹介できればと思います!!!
最後までお付き合いありがとうございました!!!次回も読んでください!!!