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2021.12.28UP

【KotaのEQ記録 #1】なぜ人は感情に支配されてしまうのか?

牛込紘太 探究キュレーター

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感情を理解する?

みなさんこんにちは。追手門学院中・高等学校の探究キュレーター、牛込紘太です。
今回は「なぜ人は感情に支配されてしまうのか?」をお話ししたいと思います。

前段として、単に感情論を話すのではなく、6seconds認定 EQプラクティショナーの資格を得るにあたって学んだことを土台としてお話をしていきます!では、そもそもEQが何なのか?というところから。

EQとは、
Emotional Intelligence;感情知能のこと。エモーショナル・インテリジェンスから、EIとも表現されます。私たちSix Secondsはこれを、「感情と思考を効果的にブレンドする能力」と定義し、感情に翻弄されず、むしろ賢明で適切な判断や行動をとるために必要なものであると伝えています。EQは、自分らしさを探求し、より快適な日常を創造したり、仕事や人生を成功へ導くために必要不可欠な能力です。
IQ(Intelligence Quotient=知能指数)が遺伝的な資質による学習能力であるのに対し、EQは誰もが開発可能。有効に活用することができます。人にダイナミックさを与えているものは、紛れもなく感情です。人が生み出す成果や幸福のすべてが、感情によって生まれているのです。

ーシックスセカンズジャパンHP EQとはよりー

つまり、人の行動は感情と思考により起こっているため、感情を理解することにより思考と行動に変化をもたらすことができて、結果(パフォーマンス)が変わってくる。というものです。

自己パターンの認識

みなさん、こんな経験はありませんか?
仲の良い友人や家族と、今思えば大したことではないケンカをしてしまった経験。その後に「なんで、あんなに怒っていたのだろう?なんで、あんなことを言ってしまったのだろう?」と後悔をしたことありませんか?少なくとも私は「もっと違う言い方があったな、あんなこと言わなければよかった…」など、数々の後悔の経験をしてきました。

これには脳のはたらきが関係しており、脳の構造を理解して自分自身のパターンを知り、気づくことで(後悔してしまう)行動パターンを変化させることができます。このような、自分の思考習慣や感情を認識し、スキルとして習得し、効果的に活用することができるのがEQです。湧き起こる感情は変えることができません。それを抑えようとすると他から溢れ出してきます。そのため、感情を認識して行動パターンを変えることが大切になってきます。

感情に支配された具体的な例として、2006年FIFAワールドカップの決勝戦。当時フランス代表MFのジネディーヌ・ジダン選手が相手選手に頭突きをするという事件が起こりました。結果、ジダン選手は退場することとなり、PK戦の末にフランスは負けてしまいます。ここにも脳の構造が関係していると見ることができます。

ジダンの退場シーンです

脳のハイジャック

では、こんな光景見たことありませんか?
グラウンドで球技をしている人、日向ぼっこをしている人がいます。ある瞬間、「あぶない!」と声がかかりとっさに手で頭を覆った経験。これは、ポール・マクリーンの唱えた三位一体脳モデルの爬虫類脳(脳幹)のはたらきによる防衛反応です。人は身の危険を感じたときに、「あぶない!の声は右から聞こえたから、ボールが飛んでくる方向と到達するまでの時間は…」なんて考える前に自分の身を守る行動を取ります。三位一体脳モデルは以下のようになっています。

ヒトの脳を3層で考えると
・一番内側は爬虫類から継承して反射をコントロールする脳
・その外側に哺乳類から受け継いだ情動脳
・一番外側の新皮質が人間が獲得した理性脳で構成され、相互にはたらくというものです。

ー三つの脳の進化 新装版よりー

脳は以下の流れで動きます。
1. 刺激
2. 視床(管制官)
3. 大脳皮質(合理的思考)
4. 扁桃体(感情の指令)
5. 反応

しかし、高度な処理をしていると危険にさらされる場合など、時としてハイジャックを引き起こすことがあります。つまり、合理的思考をすっ飛ばして、感情から反応するというものです。これがハイジャック(ジョセフ・ルドゥー、情動の脳科学)です。感情の脳と思考の脳が切り離される状態です。

EQを開発する

このハイジャックが手で頭を覆ったときや当時のジダン選手には起こっていたと考えることができます。自分が抜けることにより、数的不利が生まれることや(ゲームをコントロールする選手である)自分が抜けることでチームが崩れてしまう。といった合理的な思考ができていたら、結果は変わっていたのかもしれません。過去の結果を変えることはできませんが、EQは今から起こりうる結果を適切な判断や行動で在りたい姿に導くことができると思っています。なぜなら、EQは誰にでも開発可能で有効活用ができるからです

そのために、自分が後悔をしていて、同じようなパターンに陥ってしまっている。このパターンから抜け出したい!という人はTFAをやってみてください。

T…Think(思考)
F…Feel (感情)
A…Act (行動)

やり方はこのような感じです。自分ならどうする?を考えてみてください。

TFAは、TFAカードで複数パターンで自己理解を進めることができます!興味のある人は声をかけてくださいね。

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