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大きな熱量で探究の専任に。
自らの経験を生徒たちに還元。
私が探究の授業を担当するようになって丸2年。この間、常に生徒たちに対して「とにかくやってみよう!!」と働きかけてきました。すると自分自身までその言葉に感化されたのか、仕事においてもプライベートにおいても、悩む前に挑戦するようになります。具体的にはデザインの勉強や、クレヨンをつかったスケッチ、コラムの執筆など、新しく始めたことが増えました。日常の中で抱えてしまう問題や不安も、行動を起こせば意外となんとかなることに気づいて、以前より楽に生きることができています。探究の授業に取り入れても面白そうだと感じるのが、自分の頭の中のイメージを色で投影していくクレヨンの表現です。そうやって自分にとってためになった経験を、生徒たちに還元していく好循環をつくっていけるといいですね。
実は教師としての立場にも変化がありました。昨年まではもともとの専門だった英語との兼務で探究を見てきましたが、今年からは探究のみを担当しています。きっかけはより大きな熱量をもって探究に向き合いたいと思ったから。昨年度まで、探究の専任教師は池谷先生と牛込先生だったので、私がその2人のように活躍できるか不安はあります。だけどこれまでと同じように、まわりのメンバーがサポートしてくれるので、その支えの中で、チームを活性化させるための潤滑油のような役割をまっとうしながら、学校全体で掲げている「すべての教科で、探究的な学びを」という目標を達成していきたいです。
学校全体で掲げている
「すべての教科で、探究的な学びを」
という目標を達成したい。
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正解も理想も押し付けない。
生徒自身が答えを見つけるサポートを。
探究の教師として意識しているのは、自分の願望を生徒に押し付けないという姿勢です。なぜなら本来的に探究には「こうあるべき」という正解はないはずだから。しかし自分でオリジナルプログラムを構築する過程で、無意識のうちに理想とする答えやアウトプットを設定してしまい、また授業中も、熱が入れば入るほど、その理想に近づけたいという気持ちが生まれてしまうのが正直なところ。でもそれは探究においては正しくはありません。自分が考えていたものとは違う反応が返ってきても、必ずすべてを受け入れる。そしてフラットな心で、生徒一人ひとりの考え方を尊重する。それを絶対に忘れないようにしています。
私は教師の行動や発言は、生徒たちに大きな影響を与えると思っています。だから授業中に生徒の手が止まっているのを見つけても、すぐには声をかけません。その子が次にどうすべきかを悩んでいるのか、単純に飽きているのか、それを見極める必要があるからです。仮にあとほんの少しで自分の答えにたどり着くタイミングだったにもかかわらず、助言をしてしまったとすれば大損失。私のアドバイスを正解だと受け止めてしまい、追求すべき“個”が消えてしまいます。そうではなく、生徒自身が自分の答えを見つけるサポートをしていきたいですね。とはいえ短い学校生活の中で、生徒全員ときちんと向き合い、それぞれを理解していくのは難しいのが現実です。そこで今年から、生徒たちとコミュニケーションを図るためにワークシート上でやり取りをしています。そこに書く内容はあくまで自由。ルールは一切ありません。その1冊を通じて、できるだけすべての生徒のことを深く知り、些細な変化も見逃さないように努めています。