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探究科 高木草太

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TEACHER

2024.08.01UP

日本の教育における文化的なギャップを、探究を通して埋めていく。

PROFILE

高木草太 探究科

  • 出身

    兵庫県明石市

  • お気に入り

    Bboy Born

  • 授業でもっとも大切にしていること

    「人」であること

Theme1

見出すべきは“ミッション”。
否応なしに近づいてくる世界を舞台に。

昨年僕は、1年生の時から探究の授業を受け持ってきた学年の生徒たちが卒業するという経験をします。3年生の後半には「探究の授業をやってきてよかった」と感じられることも多々ありました。もちろん最後まで探究での取り組みに対して「恨み言」を言いながら卒業していくような、“熟成されたアンチ”とも言える生徒もいます。ただそれも想定していたよりも少なくて、逆にポジティブな印象を持つ生徒たちが多く、その感想も「楽しかった」というような漠然としたものではなく、「なぜ探究を学ぶのか」という本質的な部分に手が届いているような内容でした。

ではその「探究をやる意味」とは何か。僕の答えは「卒業するまでに“ミッション”を持つ」ということです。それは一旦は仮のものでも構いません。この世に生を受けて、成し遂げるべき使命みたいなものを理解した状態で卒業できる生徒を増やしたいと考えて、授業に臨んできました。それを持っている生徒は全国的に見ても本当に少なくて、ほとんどは『大学への入学』とか『就職』がゴールになってしまっているのが現状です。でも“ミッション”があると、それ以外のことはいつでも手放していいと思えるので、心はすごく楽になるし、生きやすくなることは間違いありません。海外ではそういう文化は根強くて、例えば日本で「職業は?」と聞くと「学校の先生です」と答えるのが普通ですが、海外だと同じ先生という職業でも「教育のこういう部分に違和感を覚えていて、こういう風に変えたい」みたいに回答する人の方が圧倒的に多くなります。今はまだ卒業の時点でそこまでたどり着くのは難しいかもしれませんが、将来的にそれを見出すために活かされるプログラムを提供しているつもりです。

僕のミッションは、海外と比べた時の日本の教育の文化的なギャップをブリッジングすることです。例えば日本では授業中に質問をすることが憚れるような空気があります。生徒たちには「授業の進行を邪魔してはいけない」とか「質問をすると、理解できていないと思われる」といった考えがあると推測できますが、海外だと「積極的に質問をする方がいい」と全員が思っていて、逆に「ただそこにいるだけの人」は好まれません。これはどちらが良い・悪いという話ではなくて、文化が違うだけ。『食』や『ファッション』といった分野だと、その文化の違いに意識が至る人も多いのですが、『教育』において日本の先生たちはなかなかその違いに気づけません。僕はたまたま海外と日本の両方を経験しているので、そこをブリッジングしていくことで、生徒たちが「国内」という縛りを外して、より幅広い選択肢の中から自分にとって居心地のいい場所を見つけられるようになったり、自分を見失うことなく海外でも活躍できる生徒を増やしたりしたいと思っています。そうやって舞台を世界に広げれば、今よりもっとポジティブなことが起こるはず。日本にいる人たちがどれだけ留まろうと、世界は確実に近づいてきていますからね。

ミッションがあると
それ以外のことはいつでも
手放していいと思える。

Theme2

自己有用性。その次に、自己肯定感。
「先生」というイメージを覆しながら。

僕にとって『先生』という職業は、「教育に携われる」という意味では天職と言えるものです。しかし同時に「あくまでひとつの手法でしかない」とも思っていて、やはり他の教育関係の組織や企業と比べてメリットとデメリットがあります。例えば少なくとも3年間は継続して成長を見られるというのは、学校の大きなメリットです。ただ先生自身をはじめ、生徒も保護者も、そして社会までが「学校の先生とはこういうものだ」というイメージを持っていて、実際に先生たちはそれに引っ張られているし、過去につくられた決まり事やイメージに縛られている部分が多すぎます。逆に企業だったら、それまでにない新しい価値やイメージをつくり上げることができるし、むしろそれが尊ばれるはずです。変な言い方ですが、学校の先生になった瞬間、学校の先生であらねばならないという縛りが生まれてしまって、先生側がどれだけ覆そうとしても、生徒はそう思いません。僕が生徒に自分のことを「先生」とは呼ばせずに「そうちゃん」と呼ばせているのも、それが理由ですね。

僕は自己肯定感が異常なまでに高く、生きていく中で落ち込むことはほぼないし、失敗もほとんど気になりません。なぜそうあれるかと言うと、最初に言った通り“ミッション”を明確に持っていて、それ以外のほとんどを手放しているから。本来、人間が本当に大切にすべきアイデンティティはすごく少なくて、それさえ損なわなければ、他のものは手放しても誰かに傷つけられても大丈夫なはずです。その状態になれれば「自分はなんでもできる」っていう気持ちが生まれてくるもの。その中で、僕が探究の授業を通して生徒に育んでほしいと思うのは『自己有用性』だと考えています。つまり「自分はこういうカタチで役に立てる」と知ることです。さらにその次に「有用ですらなくていい」と自覚する『自己肯定感』を持てれば、より素晴らしい。自分が役に立てなければ損なわれてしまう『自己有用性』と違って、自己肯定感は、失敗したっていいし、どうなってもいい。どんな状況になっても自分は自分だと思えることだと定義づけています。例えば正解が存在しない『アート』に関わるプロジェクトなどを通して、自分を表現しながら、自己有用性、そしてその先にある自己肯定感を持ってもらえるといいですね。

学校の先生になった瞬間、
学校の先生であらねばならない
という縛りが生まれる。

PAST 過去

大学生の頃、ダンス仲間とハロウィン仮装したときの写真。ハロウィンはこれくらい本気でやるとなんかふっきれる!!

PRESENT 現在

2023.05.19

FUTURE 未来

変にこなれ感を持たず新しいことにふらふらとチャレンジし続けているのでは? 大丈夫か?

FAVORITES

b-boy Born

かっこいい!彼のバトル、フロウ、オリジナリティに対する考え方はダンスだけじゃなく普段の生活にも影響している。

MY ITEM

オールバーズ

エコとかあんまり興味持てなかった自分が、履き心地も見た目も気に入り愛用するようになった環境にやさしい靴。

VOICE

01

教育業界のココを変えたい!

無力感をなくしたい

02

追手門学院中・高等学校にコレを導入したい!

意味のある選択の機会を増やしたい

03

生徒や保護者のみなさまに言いたい!

大丈夫やで

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