【創造コース第1弾】 立ち上げ秘話と魅力
創設・ビジョン・3つの特徴

  • 追手門学院中・高等学校 / 探究科
    髙木 草太
  • 追手門学院中・高等学校 / 探究科
    牛込 紘太

学びにも選択肢があっていい
様々な「学び舎」を創るために

創造コースは、新コース設立の話が出た際に「多様な学び」を大切にしたいという想いと教育の原点に立ち返って教員チームが話し合いを重ねた結果生まれたコースです。これまでも「探究」という教科として似たような取り組みはありましたが、やはり探究の授業は既存の学びという土台の上にあるので、物理的にも限界はありました。そこで、新コース立ち上げの際には、既存のスペクトラムの逆をいくような極端に振り切ったコースの方が良いのではないかという考えのもと、創造コースを作りました。

このコースの一番の魅力は、「個々の成長をめざせる環境がある」ことです。コースのビジョンとして「自分を創造する」を掲げていますが、ここに至る前提として、今の教育現場には生徒以外の多くの都合が存在しており、教員主導や学校名・ブランド力による進路選択が蔓延しているように思います。選択を迫られたが故の現実に即した取捨選択です。だからそこには自分の主張がない、深く聞いていくと自分の中に根拠のない主張が存在しているように思います。

そうではなく、生徒自身が考え尽くして結論を導くことによって一つひとつの言葉や行動が変わってくると考えています。そんな自分で自分を成すような生徒に成長してほしいと思いからこのビジョンを設定しました。

安心して、楽しんで、様々なことを経験し、
振り返って気づきを得ることで「学ぶ」ことができる

「学ぶことが楽しい!」
創造コースでは、この「学ぶことって楽しいを取り戻す」ことをミッションとして掲げています。本来、新しい発見や気づきは好奇心を抱き、ワクワクするもののはずです。ですが、現状はそうではない。現状はどう評価されるのか、どう思われるのかが気になり、どうすれば評価が高いのか、何点取ればいいのかばかりが先行していて、楽しさなど度外視で、覚えること、こなすことが最重要事項になってしまっています。そうなると、極端に言えば、答えを求めて、パターン化していくことばかりするようになる。これは高校を卒業しても続いていき、いつしかマニュアルと答えがないと物事を進められなくなってしまう。だから、「答えはない。自分ならどう考える?学んだことをどう使ってみる?」を大切にしたい。そんな形式的な学びからの脱却を目指しています。

従来の「点数や評定」に縛られる学びに疑問を持ち、学び方を変えたいと求めている生徒に届いてほしいコースなので、万人に受け入れてほしいとも思っていませんが、確実に必要なことだとも思っています。はじかれた存在のはじかれた部分こそ面白く評価されるポイントだと感じられる場が一つでもあればいいなと思うのです。変な人、大歓迎します!学校では「他と一緒」の部分だけがフォーカスされがちですが、「他と違う」からこそ良い部分、自分らしさで羽ばたいていける生徒を育てたいと思っています。

グループ形式と個の成長を軸に
一人ではできない、学校ならではの学びを提供したい

創造コースは、「定期考査を実施しない」ことばかりが取り上げられがちですが、特徴は大きく3つあります。まず、時間割は基本的に2コマ連続で実施されること。次に授業ではグループ形式を多く採用していること。最後に定期考査は実施しないことです。時間割については、通常6時間であれば学ぶのは6科目ですが、創造は2コマ連続を基本としているので、6限であれば3科目になります。これは、学びの連続性を意識しており、IN→OUT、OUT→IN、OUT→OUTなど、得たものを使ってみる、やってみるところまでをひとつの括りとした考えから来ています。グループ形式については、一般的にイメージされるグループ形式とは異なります。前提として、知識を講義から得て問題を解いて、テストをする学び方ではないというのがあります。そのため、ただグループで話しましょう、意見を交換しましょう、というような取り組みではなく、課題に対して結論を導くにも個々が考えを持ち寄って、主体的に参加することが求められます。最後に定期考査は実施しないことですが、厳密にはペーパーで点数をはかることはせず、その代わりに創造独自のプロジェクトを実施しています。次回は、このプロジェクトのお話を掘り下げていきますね。

「変わりたい」と思っている子、今の学び方や教育がしっくり来ないと感じている子にぜひ、このコースに来て欲しいですね。