【創造コース第2弾】学びのサイクルと
プロジェクトのご紹介

  • 追手門学院中・高等学校 / 探究科
    髙木 草太
  • 追手門学院中・高等学校 / 探究科
    牛込 紘太

独自の「学びのサイクル」と
3年がかりのプロジェクトで深める自己形成

まずLHRで各学年に設定されたプロジェクトテーマに即した思考や感情を深める対話をしていきます。ゲームやアクティビティーなどを通して新たな切り口を与え、グループで話しながら自分の考えを深めていきます。そしてリフレクションを行い、「自分はどうしてそういう行動をしたか?」の振り返りをするのです。これが、プロジェクトテーマとも繋がっていきます。テーマは各学年に設定されており、1年が「真」、2年が「善」、3年が「美」です。LHR・プロジェクト・リフレクション、そして教科での学び。このサイクルを行うことで、学びの楽しさに触れ、自己成長を目指します。

1学年では「真」をプロジェクトテーマにしていますが、これは捉え直しのプロセスで、「知るとは何か?」を考えていきます。自分が当たり前と思っていることに揺さぶりをかけるのです。五感を通じた時に「本当にそうか?」という問いを自分自身に投げかけます。「自分の中で知っている(と思っている)ことは本当に知っていると言えるのか?」ここをLHRとプロジェクトの時間を使って揺さぶりながら結論を導いていきます。
そうすることで、これまでの「当たり前」を当たり前と思わず、知らないということを認識して思考し続ける大切さに気づいていきます。自己と他者の認識について考え、自己の視点と他者の視点から物事を考えてみるなど、多様な価値観に触れる。さらに触れることに留まらず、自らの捉え直しを行ってもらいます。それをプレゼンで発表するのが1学期。2学期には学びの中で得られた気づきについて、他者と言語化を経て共有し、ものの見方・考え方を広げて深めていきます。その気づきを音楽で表現することを行いました。もちろん、アウトプットにこだわりを持って取り組んでもらいますが、どちらかというと、やり方よりも考え方に重点を置いているのが1年生と言えます。

捉え直しを経て、社会と接続し、
新たな価値を創造する

2学年では、「善」をテーマに自分と他者をつなぐことを考えていきます。「善いってなに?」誰だって悪いことはしたくない。けれど「善悪は共通項なのだろうか?」「どこまで共有できるのだろう?」「どこまで受け入れられるのか?」など基準を知り、他者を知り、自分を知り、新しい判断をできる器を広げていき、最終的には自己に立ち返ります。自分の幅が広がる「余白づくり」をするのが2年生ですね。

「美」 をテーマにした3学年では、自分と自分の先の社会のことを繋げていきます。社会に接続して新たな価値を創造するのです。「美しいって何?」、最後は共有していない前提を前に、自分自身をさらに実験的に体験的に深めていきます。社会で自分はどうするか。知識にも取捨選択があります。身を置く場所も最終的には自分の中で選ばなければならない。だから3学年では、対象を絞ってアイディアを創り出すことをゴールとしています。
それまでに学んだ様々なアプローチや基準、知識を取捨選択し、応用しながら社会での活用を試みる。自分の中で知識を得ることで生まれた余白で多様性社会の一員となっていってほしいと思っています。

成長の仕方は千差万別
画一的でないからこそ、個々に目を見張るものがある

こういう風に成長します、という画一的な成果ではないのが創造コースの特長かと思います。もちろん、3年間の学びを通して、自ずと副産物的に身につくスキルもあります。プレゼンの上手さ、グループワークが得意になること、リフレクションが深いこと、健全にぶつかって、「なんでもやってみる。楽しもうとする。」姿勢などでしょうか。その生徒も深く考え、話の根本を捉えようとするようになったと思います。教員が何かしなければ成長しない、ではなく、主体的に生徒たちに「やってみたいこと」があって、それを「行動に移す、人に説明できる」それが実現できるコースが、まさに創造コースだと思っています。